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「英国王のスピーチ」&「アメイジング・グレイス」 [映画]

昨日は映画を二本観に行ってきました。
名古屋の名演小劇場、ここには以前「魔笛」を観に行きましたが、私が観たくなるような作品を多く上映しています。
本当は「アメイジング・グレイス」だけを観る予定でしたが、上演時間を調べている過程で「英国王のスピーチ」に心惹かれました。一昨日行く予定でしたが木曜日は女性デーで1000円になるし、「両方観てしまおう!」ということで我が家の女性ばかり3人で観てきました。
ついでに言うともうすぐ始まる「ナンネル・モーツァルト 哀しみの旅路」も是非観たいですね~!!

・・・ということで感想です。

まず最初に観たのが「英国王のスピーチ」。内気で吃音のある王(ジョージ6世)がスピーチ矯正の専門家(もと役者でシェイクスピアなどを得意としているオーストラリア人)のもとで治療を受け、自分の過去と向き合いながら吃音を克服していく話です。兄がいったん王位を継承するものの女性問題などで退位。王位を継承する羽目になります。父王曰く、「昔は馬に乗っていればよかった」王も今ではスピーチをして国民に気に入られなければならないのです。最後のほうで出てきますが、ヒトラーの演説シーン、確かに上に立つ者はスピーチがうまくないと民衆の心をつかむことはできないのだなあと感じさせられました。第二次世界大戦勃発直前、王になったばかりのジョージ6世には「吃音でも良い」という余裕はまったくありません。ヒトラーやスターリンからイギリスを守るには国民の心を一つにまとめる力強いスピーチが求められ、彼は見事にそれを成し遂げます。
治療のシーンなど、非常にコミカルで楽しく、また当時のファッションも楽しめました。
妃エリザベス(つまり故エリザベス皇太后ですよね。)役の人は大竹しのぶに似ていると思いました。
音楽がとても良かったのですが、最初の治療シーンでモーツァルトの「フィガロの結婚」序曲が、空襲場面(だったと思う。)でベートーヴェン第7のニ楽章があったのは私にとって大変な偶然でした。(・・・というのは先日の米良さんのコンサートで「フィガロの結婚」序曲とベートーヴェン第7の一楽章を聴いたのですが、ブログのコメント欄でニ楽章の話題をしたところでしたので。)
この映画についてはアッシー映画男さんが書いていらっしゃいます。すべてにおいて同感です!

「アメイジング・グレイス」のほうは、「英国王のスピーチ」と比較して”楽しめる”作品というわけではありませんでした。題名から作詞したジョン・ニュートンの生涯とか奴隷貿易の過酷さが強調された映画なのではと想像される方も多いと思うのですが、そうではありません。主人公はジョン・ニュートンに師事(何を?)したという若き政治家(年取ってからの場面もありますが)ウィリアム・ウィルバーフォースで、議会の場面が多く、いわゆる「感動的」な内容を期待する人にはちょっとがっかりする内容かもしれません。もちろん奴隷貿易船の過酷さ、砂糖農園(プランテーション)での労働の過酷さも出てきますが、必要以上に強調されていませんでした。ウィルバーフォースが奴隷貿易に反対するきっかけとなった賭け事のシーンでお金や借用書のかわりに奴隷を賭けようとしていた貴族の議員役の人が米良さんにそっくりでした。認めたくはないけれど似ていると思っていましたが、娘たちもそう思ったようです。ちなみにトビー・ジョーンズという人で役者さんとしては結構すごい人のようです。
終わったあと感動で涙が出るとかそういう類の展開ではないのですが(あくまで政治的にどのような動きがあったのか、ウィルバーフォースが神に仕えることを考えながらも結局政治の道の中でそれを実現した、ということを結構淡々と描いている。)、今まで知らなかった曲の背景(曲の背景は当然知っていましたが、この映画のストーリーは全く知りませんでした。)を知ることができて勉強になりました。
アメイジング・グレイスの歌は主人公が議員たちに歌って聞かせる場面、主人公の結婚式で皆で歌う場面、最後のエンドロールの直前にバグパイプバンドの演奏と3回出てきたと思います。
少数派の奴隷貿易反対意見が多数派に勝つ・・・というか、多数派にも理解されるまでの不屈の努力、苦悩が描かれた映画ですね。最後のバグパイプ演奏で、「本当に良かった!」と感じることができました。
ところで公式サイトでは本田美奈子が歌う「アメイジング・グレイス」が流れるので、作品中に出てくるのかと思いましたがやはりありませんでした。誤解を招くのでトレイラーに使わないほうが良いと思うのですが・・・。(確かに宣伝効果はあると思いますが・・・。)
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シズコ

Ceciliaさん、こんにちは。
今日も朝起きられたので(本当は毎日起きるんだよっ!)ってなるのが、目標なのですが・・・)今記事拝見しました。映画、最初早とちりして、「!え?二本立てなんて今あるのっ!?良いな~」と思ったら、日本・・・違う・・・二本観て来られたんですね。す、凄い体力じゃ~!
「雨偉人具・・・」←凄い変換になっちゃった!「アメイジング・グレイス」の映画はどっかで聞いたことあるな~と思いましたが「英国王のスピーチ」って初めて知りました。
ちなみに映画の公式HPで見たら、どっちも山形ではまだ上映されてなくて(「英国王」が4月中旬以降、「アメイジング」に至っては、6月以降だった!)「へーそういう映画もあるんだ~」と、教えていただきました。ありがとうございます。

>ヒトラーやスターリンからイギリスを守るには国民の心を一つにまとめる力強いスピーチが求められ、彼は見事にそれを成し遂げます。

↑なんか凄く説得力ありますね。このところ。
オバマさん見てるとそう思いますもん。
スピーチってやっぱり練習しないと出来ませんもんね・・・(あ、何でもか?)
そう言う教育って日本であんまり聞いたこと無いもんなあ。
なぜか私のHPでは「予告編」今日見られなくて残念でした。
「アメイジング・グレイス」は今「予告編」見られました。これ、一回やっぱりHPで見てました。これは見てみたいです。
ヨアン・グリフィズと言う役者さん、凄く好みです♪(苦笑)
映画に出てくる男性やご婦人方のカツラがすごーい!(笑)
こういうの見たのは「アマデウス」以来かも!?
個人的には私も、「本田美奈子さんの曲は無くてもいいかなあ」と思いました。男性が主人公のようなので、予告編で最初に聞いた男性の曲の方が「うん!良い感じ」と思いました。
なんか、教会推薦映画になりそう。(勝手に考えてたりして・・・)

私は明日から上映される「アブラクサスの祭」にしばらくハマッてると思います。余りメジャーじゃないようですが、これもなかなか面白そうですよ。


by シズコ (2011-04-01 13:39) 

Cecilia

シズコさん、コメントありがとうございます!
そちらの記事から「アブラクサスの祭」のサイトを見ました。おもしろそうです!名古屋で上映しているところもチェックしました。
映画二本は記事に書いたように同じ映画館で上映されました。
一昨年、違う地域にある違う映画館をハシゴする羽目になったことがあったのですが、それは体力要りました。(おもしろかったけれど。)
今回は同じ映画館ですし、途中お昼休憩しましたのでまったく疲れませんでしたよ。
ヨアン・グリフィズ、夫がパンフを見て「俺にそっくりだ。」とか言っていました。(苦笑)
カツラですが、議会中やその前後のカツラの取り扱いの場面がおもしろかったです。まるで帽子感覚ですね。
面白かったのは黒人奴隷も白髪のカツラをかぶっていたことです。
教会推薦映画になるでしょうかね?
あまり信仰的な部分を強調してないので、かえって良かったとは思うのですが、熱心なクリスチャンには物足りないかもしれません。
by Cecilia (2011-04-01 20:02) 

すとん

 「英国王のスピーチ」は劇場で予告編を見た時から、見たい見たいと思っているうちに封切りになってしまいましたが…見に行くチャンスがないなあ(涙)。ゴールデングローブとアカデミーを受賞しちゃいましたね。特にアカデミーは4冠でしょ、イギリス映画なのにすごいなあ。主演のジョージ6世役のコリン・ファースって俳優、結構好きなので、なんとかしてチャンスを作って見に行かないと。彼ってノーブルな雰囲気がるから、貴族とか金持ちとか王族とかの役が似合う似合う(笑)。

 「アメイジング・グレイス」って本田美奈子の歌を使ってないの? そりゃあ、サギじゃないの?


by すとん (2011-04-01 20:46) 

伊閣蝶

レディース・デイを利用して、映画を二本ご覧になったとのこと。
昔の二本立てのように続けて観ることを念頭に置いて作られているわけではない力作を立て続けにご覧になるのは、やはりそれなりの気力と体力が必要だと思われました。
私も、若かった頃は、かなりの勢いで映画を観て回ったものですが、現在では、家でDVD当たりを観るにしても二本以上観るのは余程気持に余裕があるときに限られます。
さて、二本とも大変に興味深い内容ですね。
「英国王のスピーチ」の背景である第二次世界大戦当時と言えば、英国にはチャーチルという、それこそスピーチの名人がいましたが、やはり国王の立場は全く違う重みを持っているのでしょうね。
劇中の音楽にベートーヴェンの交響曲第7番2楽章が使われていたという偶然に、私もつい微笑んでしまいました。
それから、「アメイジング・グレイス」。
これは是非とも観たいと思います。
本田美奈子が歌う「アメイジング・グレイス」が出てこない、というお話ですが、こうしたことは結構良くありましたね。
私も同じような肩すかしを食らった覚えがたくさんありましたし、宣伝に使われていたレコードを買って、あれ?なんだ使われないのか?と戸惑ったこともありました。
by 伊閣蝶 (2011-04-02 18:08) 

Cecilia

すとんさん、コメントありがとうございます!
「英国王のスピーチ」、是非観て下さいね。コリン・ファースという俳優さんは初めて知りましたが私の好みのタイプだと思いました。ノーブルな雰囲気ですよね。
賞のことはあまり意識せず、ただ面白そうという理由で観に行きましたが、本当に良かったです。
この日に行けなかった夫が普通に1800円×2で今二本観ています。
本田美奈子の歌は私も素晴らしいと思うのですが、どうしてトレイラーに使ったのでしょうか。絶対誤解を招きますよね!
by Cecilia (2011-04-02 19:00) 

Cecilia

cfpさん、niceありがとうございます!
by Cecilia (2011-04-02 20:37) 

Cecilia

伊閣蝶さん、nice&コメントありがとうございます!
立て続けとは言っても、途中で二時間半程度外出し、お昼ご飯を食べたりしましたので、疲れるようなことはありませんでした。
家では映画のDVDを観ることもめったにないのですが、久しぶりに映画を楽しみました。
レディースデイでなければきっと1本だけになっていたことでしょう。
とにかく「英国王のスピーチ」を観ることができてよかったです。
作品中にはチャーチルも登場していました。

「アメイジング・グレイス」の中で奴隷貿易船をほかの人々に見せる場面の直前に優雅な舟遊びの場面がありました。船上でモーツァルトの曲だと思いますが演奏していたのがちょっと気になる音楽シーンでした
by Cecilia (2011-04-02 20:44) 

アッシー映画男

Cecilia様、当方の映画ブログに言及いただき、ありがとうございます。
「英国王のスピーチ」を見事に語りつくしていただき、本作大好きのワタクシ、嬉しく拝見いたしました。

ここで違う映画のハナシもなんですが、アルバート王子=ジョージ6世を演じアカデミー賞主演男優賞を受賞したコリン・ファースさんは、前年(2010年)にも別の映画で同賞にノミネートされています(受賞は逃した)。

ワタクシとしては、その映画「シングルマン」の主役がコリン・ファースさんの驚異的名演であり、映画としても信じがたい完成度を誇っていると感じています。
テーマがテーマだけに子供には見せるのは微妙ですが、機会があれば「シングルマン」、是非観てください。本当に素晴らしいです!
というわけで、ワタクシ個人的には、コリン・ファースさんは2010年、2011年と2年連続でアカデミー賞を獲ってるイメージなのであります。
ワタクシのブログの映画「シングルマン」についての記事は以下であります。興味があれば・・・

http://ash-movie-music-2007.blog.so-net.ne.jp/2010-10-22

ではでは!
by アッシー映画男 (2011-04-03 07:02) 

Cecilia

ユーフォさん、niceありがとうございます!
by Cecilia (2011-04-03 23:24) 

Cecilia

門前トラビスさん、niceありがとうございます!
by Cecilia (2011-04-03 23:26) 

Cecilia

アッシー映画男さん、nice&コメントありがとうございます!

>「英国王のスピーチ」を見事に語りつくしていただき

なかなかアッシー映画男さんのようには書けません。
もう少し俳優さんたちについて詳しければ書きようがあるのですが、とにかくまずは映画の内容が面白かったということに尽きますね。いろいろと細かいところで語りたいことはあるのですが、一刻も早くアップしたいと思いましたので、語り尽くすことができなかったのが残念です。
私はコリン・ファースさんのファンになってしまいそうです。「シングルマン」も是非観てみたいです。ご紹介の記事も拝見させていただきますね。

最後に家族でバルコニーに出て国民に挨拶するシーンがありましたが、そこで王女たちが着ていたドレス、エリザベス女王の絵画に残されているものですね。(詳しくはエリザベス二世に関するWikipediaの絵をご覧ください。)
by Cecilia (2011-04-03 23:33) 

Cecilia

マチャさん、はじめまして。
niceありがとうございます!
by Cecilia (2011-04-05 19:40) 

シズコ

おばんです。
ずっと日曜日から風邪をひいてダウンしてました。
朗報です!
風邪で寝込んでいる間に、リンクブログの辰っつあんが、「山浦玄嗣先生のご無事確認!」のタイトルで、山浦先生の消息を教えてくださいました。
「ラジオ深夜便・シスター渡辺和子先生の放送」のコメント欄に詳しく載ってます。
ぜひご覧になってください。
まず、山浦先生が、ご無事でよかったですね。
それだけご報告に参りました。
オヤスミナサイ。
by シズコ (2011-04-05 23:24) 

Cecilia

シズコさん、コメントありがとうございます!
山浦玄嗣先生、ご無事でよかったです。
それにしても先生のお住まいのあたりの地域の被害の甚大さに言葉もありません。

コメント欄拝見しに伺います。
by Cecilia (2011-04-06 03:46) 

シズコ

おはようございます。
実は昨夜、また凄い地震&停電でした。
たまげましたよ~!(涙)昨日もホッカイロ貼って寝ましたもん。
朝も停電で、8時半ころやっとつきました。
夜だったんで、あちこちの電気やテレビがつけっぱなし状態で、今消して歩いたついでにお寄りしちゃった。
なんか、停電は東北だけだったみたいですね。
んでも、これ以上ひどくなってほしくないなあ・・・・。
どうぞ東日本のためにお祈りください。
by シズコ (2011-04-08 09:29) 

Cecilia

シズコさん、コメントありがとうございます!
私は一昨日の夜の地震を昨日の朝知りました。実家が心配で電話したら連絡を取ることができほっとしました。母も大きな地震に慣れっこになってしまったようです。
余震は一体いつおさまるのでしょうか。もう一ヶ月になってしまいますね。
by Cecilia (2011-04-09 09:59) 

シズコ

すみません。県民歌の方にまとめて書かせていただこうと思ったのですが、それではやっぱりなあと思い、こっちに来ました。
その前に、今遅くブログアップしたのですが、音楽関連のことを書くときに、Ceciliaさんのお名前をお断り無くブログ内に書かせて頂いてしまいました。本当はお許しを頂いて書かせていただくべきでしたが、前後逆になってしまいました。
すみません。お許しください。

「英国王のスピーチ」の予告編、昨日見た「アブラクサスの祭」の前に見ました。英国王を演じているのは「コリン・ファース」だったんですね!?すごく驚きました。私の大好きな映画「高慢と偏見」に出てたので。そのときはぐっと若かったんです。ふけててびっくり!(苦笑)
未だに我が家のパソコンではなぜか見られないのです。見られて良かったです。なかなか魅力的な映画のようでした。

「アブラクサスの祭」も、とても良かったです。
こんな深夜にごめんなさい。まもなく朝ですね。

Ceciliaさん、人生いろいろありますね。。。。
でも、生きていかなければいけないし、
生かされているのでしょうね・・・・。
by シズコ (2011-04-16 03:37) 

Cecilia

シズコさん、コメントありがとうございます!
なんと!シズコさんもコリン・ファースがお好きですか!
ここにコメントくださっている映画好きの方々も彼が好きとおっしゃっています。観る目のある方々がこぞって彼のファンということは、やはり「高慢と偏見」「シングルマン」、観なければなりませんね!
私は「英国王のスピーチ」でかなりファンになりました。
シズコさんにも是非観ていただきたい映画です。
「アブラクサスの祭」の記事も拝見させていただいています。ますます観たくなりました。
私のHN、無断で書いていただいて一向に構いませんよ~。もちろんまったく初めての方にはご一報願いたいですが。
本当に人生いろいろで山あり谷ありですね。
神様、どうか平穏な毎日をください・・・と思うのですが。
by Cecilia (2011-04-16 06:17) 

シズコ

コリン・ファースを好きになったのは、大学の卒論でもあったジェイン・オースティンの「高慢と偏見」のBBC版DVDを買ってからです。この中でヒロイン・エリザベスを演じるジェニファー・エールのなんとも芳しく、おっとりとした容貌に魅かれ、彼女が恋するダーシーを演じるのはどんな俳優だろう?と凄く興味があって彼がコリン・ファースだったんです。これ結構DVD高かったし、日本語吹き替えも無いのですが、私は購入していて正解だったなあと思います。まだ全部は見ていないのですが、イギリスの昔のティータイムや香料の香りがするような画面なんですね。そしてコリン・ファースが本当に男前です。You Tubeで今検索したらこんなの見つけちゃった!良ければご覧あれ→http://www.youtube.com/watch?v=jHAAUgMgafs&list=SL 

主よ、今日は暗いうちに寝せてください。

オヤスミナサイませ。
by シズコ (2011-04-17 03:05) 

Cecilia

シズコさん、コメントありがとうございます!
なかなかコメントできていませんが、そちらは見せていただいていますよ~。
ご紹介の動画も見たいです。
大学の卒論がジェイン・オースティンだったのですか!
私もとても気になりますのでまず読んでみたいですし、映画も観てみたいです。

>イギリスの昔のティータイムや香料の香りがするような画面なんですね。

ますます気になります。
実は以前漫画の「エマ」の話題をブログでしたら、ジェイン・オースティンの「エマ」の話をされた方が何人かいらっしゃって、その時から気になっています。
by Cecilia (2011-04-17 10:36) 

HINAKA

HINAKAです。

Cecilia様

最近なかなか出番?が無い(こういう事を平気で書き込むから、嫌われるのかしら!?)ので、嬉しくて!シャシャリ出ました!!
『アメイジング・グレイス』の方は、「自由と民主主義の国アメリカ」を結局は賛美する映画という、シニカルな捉え方が一般的かも知れませんが、でも「痩せても枯れても『代議士(議員では英国の貴族院のように2院制の場合、必ずしも一般の普通選挙で選ばれているとは限りません。日本の参議院も、〈解散〉が無いので〈代議士〉とは衆議院議員の事になります)』とは、人民の代表である!」という建前を、真正面から問うという点で、良い映画だと思います。
政治家は、善人でも清貧である必要もなく、ただ己の信念とその信念に共感してくれる支持者によって選ばれた、〈代議士〉であるならばその信念を貫く!その為には、他の議員との駆け引きはもちろん、合法的なあらゆる手段(ロビー活動、これが決定的に不足というか、高級料亭での酒宴と勘違いしている……様に見えるのが、日本の議員だと思います)を弄して、自分の意見への賛同を導く。

アメリカ全体の国家主義とは別に、政治家と政治のレベルの差という奴を、思い切りぶつけられる、そんな気がします。
リンカーン大統領も、「何が何でも連邦制を維持する!その為に奴隷解放が必要なら、躊躇わずに行うし逆ならば行わない」と、断言しているそうです。アメリカで唯一の?内戦「南北戦争」は決して奴隷解放戦争ではなく、それをも含んだ南部13州(だったかな?)の、独立戦争だった……事は、ワリと知られていないみたいです。
結局南部は破れ、アメリカは連邦制を維持し、リンカーン大統領は奴隷解放の大統領令を発布しましたが、それに法的な拘束力はありませんでした。本当に意味で、奴隷解放と言えるのはケネディ大統領による、公民権法の成立まで、待つしかありません。

ちなみに公民権運動は、単に人種差別だけではなく、男女差別も含めたあらゆる、アメリカ市民権保持者の権利を、保護する法律です。
この時初めて、アメリカの女性達は恋愛や結婚の自由を始め、就職などの差別と戦う合法的な権利を得たのだそうです。公民権運動が、大きな成果を結んだのは、人種差別問題だけではなく、そのような白人リベラルな女性達の、後援が大きかった事は有名です。
有名な映画「ドライビング・ミス・デイジー」などにも、黒人運転手を車に残し、キング牧師の講演に涙する老白人女性の姿があります。運転手は車内のラジオで、その演説を聞いていますが、このようなシーンはアメリカ映画には散見されます。

「英国王のスピーチ」に触れる前が、長かった……これは本当に、英国王室史上有名な事件で、兄・ヘンリー4世がアメリカ人の離婚(ここが問題でした!)女性との恋愛問題で、王位を捨てた為に(王冠を賭けた恋!)まったくその予定が無かった、弟が継ぐ事になった事件です。
兄は、皇太子として子供の頃から帝王学を学び、社交上手で恋愛沙汰も1度や2度ではなかったのですが、世界に冠たる大英帝国の国王として、どこからも文句のない人物でした。日本の昭和天皇も、皇太子時代に英国を訪問された時に、同じ立憲君主国家の国王として、大きな影響を受けた事で知られています。

そして、ジョージ6世です。
この生まれながらに「見るからに虚弱で、マトモに話しすらできない障害者」だった弟は、瀟洒な兄とは正反対の引っ込み思案で、スポーツはおろか勉強にも冴えない、根暗で気が弱く、人前に出るのが嫌いな、今で言うまさに病的な引きこもり青年だったそうです。
この根暗で気の弱い青年が、唯一周囲も驚くほど積極的に、必死になったのが、後の王妃エリザベスとの結婚です。最初の出会いは、定かではありません(何とかの夕食会とされていますが、事実とは異なるようです)が、少なくとも貴婦人達が、この歩く事もままならない生まれと権威以外に、気を引く要素のない王子に、不似合いな(ダンス・パーティ?)場所で、当時名花の誉れ高いストラスモア伯爵令嬢エリザベスを見初めて、「彼女以外の女性は必要ない」と当時の王妃・母メアリーに、告げたと言われています。
一説には、会ったその場で求婚したのですが、発音が悪くエリザベス伯爵令嬢は、何を言われたか分から無いまま、適当にあしらった……とすら、伝えられています。

この恋は、イギリス人得意の格好の笑い話ネタとなり、誰もがその成就は有り得無いと、考えていたようです。
皇太子であればともかく、弟には何の魅力も無く、エリザベスは当時好男子と評判だった、貴族青年に熱を上げていたようです。しかし、引っ込み思案の次男が、子供の頃から事有る事に兄と比較され、笑いモノにされ続けた事や、その生来の心身の問題で苦労している事を知っている母親は違ったようです。
次男から、初めてで唯一と言っていい懇願を受けた母・王妃は、自ら伯爵邸に赴きエリザベスと直談判をする一方で、ライバルの好青年を海外の任地に赴かせて、遠ざけるなどあらゆる手を使って、次男の想いを手伝ったとされています。
事実、一度直談判をした際から、その利発さと品の良さに母自身が、次男の伴侶は彼女をおいて他にない!と、決意したようです。その為、後に嫁と姑になるのですが、この二人は夫と息子を巡って文字通り意気投合し、終生その不自由な心身を支える事になります。

とはいえ、この縁談は難航の上にも難航し、何よりも当時の社交界に名花と呼ばれた娘の両親が、如何に王家との次男とはいえ、「見るからに障害者」と呼ばれたほどの男性と、娘を結婚させる事に前向きではなかったようです。
ただ、この時だけは後のジョージ6世本人も、人生で最大の勇気と行動力を振り絞り、公式に3回に渡る求婚の末、ついに結婚へと漕ぎ着けました。この時、後の王妃は「彼には、私しかいないと気付いた時には、(結婚を)承諾していました」と述べたと言われていますが、これも真偽は定かではありません。
そもそも、このフレーズでは言葉にはなっていませんが、「私は、彼でなくても構わなかった」という意味が秘められていると、後々まで囁かれていました。

この結婚はその後の、ジョージ6世の数奇な人生を考える時、実に重大な意味を持つと思います。
根暗で引っ込み思案な、皇太子の弟は利発で行動力もあるけれど、決して優美さと気品を失わない、「完璧な貴婦人」を妻にする事で、人前に出る機会も増え、「兄がしない事をする」と地味な裏方に徹する弟を、大いに励まし勇気付けたようです。
そして青天の霹靂のような、兄王の退位!
この時、次期国王に決まっていた夫は、母と妻の前で文字通り「王になれる訳が無い!」と、泣きじゃくったそうです(この感情の起伏の激しさは、兄弟共通の問題だったようです)。

そして、映画にあるような事態へと、突入するのですが……ここからのジョージ6世の、特に対独戦争に対する(第二次世界大戦)「常に国民共にある!」姿勢は、「軟弱で病弱の、障害者」というそれまでの国民の意識を、見事に変えさせたと伝えられています。
特にドイツ軍機の爆撃で、間一髪助かった後、疎開するように勧める側近や、重臣の言葉に耳も貸さず、王妃と二人で人目にも分かるように拳銃を握りしめ、「国民の全てが疎開できるのならそうするが、それが出来無い限りここ(ロンドン)を、動かない!」という、宣言と態度は広く国民の支持を集めたそうです。
同時に、本来で有れば王家の伝統従い、後継者である2人の王女は、疎開させるべきであったにも関わらず、これをエリザベス王妃が断固拒否した事も有名です。
「私の子供たちは私のもとを離れません。私は国王陛下のもとを離れません。そして、国王陛下はロンドンをお離れになりません」
(フリー百科・Wikipedhia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%82%B6%E3%83%99%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%90%E3%82%A6%E3%82%A8%E3%82%B9%EF%BC%9D%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%B3
より)

また、本人は最前線(北アフリカやマルタ島)へ向かうと言って聞かず、実際に慰問に訪れています。
更に、被害にあった地域の慰問を連日のように続ける姿に、それまでのイメージは完全に払拭され、さらに民間人の勇敢な行為に対する(戦闘とは限らない)、ジョージ勲章が創設れるに及んで、「善良王」とまで呼ばれるようになったそうです。
そして映画で描かれているように(たぶん、映画は未見ですので……)、連日あの苦手だった演説を、マイクの前で繰り返し、その声と内容とさらには、国王が決して饒舌家では無い事を、既に良く知る国民を大いに鼓舞したとされています。

ちなみに、エリザベス王妃の肝の座り方も、尋常ではなくV2ロケット(世界最初のミサイル)の攻撃により、バッキンガム宮殿が直撃を受けた時にも、
「爆撃された事に感謝しましょう。これでイーストエンド(ロンドンの有名な貧民街)に顔向け出来ます。」
(上記、Wikipedhiaより)
と、拳銃を持ったまま平然と宣い(のたまい)、ヒトラーを慄然とさせたと言われています。

このように、非常に魅力的で興味深い内容なので、是非映画を見たいのですが、レンタルできるまでは無理……かな。
なお、義兄ヘンリー6世とその夫人に対する恨みは深く、義母メアリー皇太后と共に、そもそも病弱であった夫の寿命を縮めさせた元凶として、終生許す事はなかったそうです。

うわ、長くなった……でも、もう一つ!
〈ジェイン・オースティンの「エマ」〉ですが、実はマンガの「エマ」が単行本化される前に、マンガ好きの友人と電話で話している内に「エマ」の話しになって、こちらは映画の「エマ」相手はマンガの「エマ」のつもりで、話し合って破綻しなかったという……笑っていいのかどうか、苦慮する事態がありました。
ちなみにこの件は、単行本の「エマ」が出てそれで初めて読んで興奮したあまり、相手に電話したら「だからその話しはさんざんしただろう?」と言われて、唖然としたというオチが付きます。
なお、相手は映画の「エマ」を全く知らない!そうです。

うーん、これってどちらに、問題があるのだろう?
大長編で、失礼致しました!


by HINAKA (2011-04-19 16:06) 

Cecilia

HINAKAさん、nice&コメントありがとうございます!
長いコメントをありがとうございます!(本当にこれだけの長さでもコメントできるというのはソネブロならではですね。)
当時のイギリスの議会のことは詳しくわからないのですが(パンフを読めば少々わかるのですが、暇がなくてゆっくり読む暇がありません。)監督は庶民院の様子をもっとも細かくリサーチしたそうです。そのせいかやはり議会の様子がもっとも印象に残っていますし、作品中非常に多く出てきます。よくわかって観ていればさらに面白かったのだと思います。
主人公ウィリアム・ウィルバーフォースのことはまったく知りませんでしたし、正直「アメイジング・グレイス」と言えば作詞者ジョン・ニュートンのことしか知らず、この曲の背景にあった政治的な動きはまったく知りませんでしたので大変勉強になっています。少数派が幾多の困難を経て勝利していく話でしたが・・・強い信念や使命感が政治家には求められますね。
私は「アメイジング・グレイス」が”黒人霊歌”と言われていることが長い間疑問でした。作詞したジョン・ニュートンは白人であり、黒人の中から生まれた曲ではないと思っていましたので。(”白人霊歌”と聞いた記憶が。)メロディーはスコットランド民謡・アイルランド民謡のような音階でケルト音楽と言ってよいですね。
パンフにもイギリスで作られた讃美歌が奴隷たちに歌われるようになってアメリカに渡ったとありました。
こちらのサイトでも詳しく書かれていますね。
http://zatsubundou.fc2web.com/song_amez.htm
またこのサイトにもすべての歌詞が書かれてありますが通常は3番までしか歌われませんね。
公民権運動も詳しくないのですが(高校時代にキング牧師の話の英文冊子を一冊宿題として与えられ夏休みに必死に訳したくらいです。)、「風と共に去りぬ」や「若草物語」などのポピュラーな小説を通して南北戦争の当時の人々の意識が見えるような気もします。

「英国王のスピーチ」、HINAKAさんには興味あるお話ではないかと思っていました。(笑)
とにかくジョージ6世のことは全く知らなかったと言って良いのですが、あの妃のエリザベスはエリザベス皇太后ですよね。イギリス国民から愛されていたようですね。彼女は映画化には反対していたようで30年かかってやっと実現したようです。
http://english.oricon.co.jp/news/85107/full/
素晴らしい作品なのでジョージ6世の品位が下がるどころか、かえって彼を知らない多くの人にも彼の存在を知らしめ、善き王であった事実を伝えることができたのではと思います。少なくとも私はこの映画から非常に興味を持ちました。詳しい解説をありがとうございます。

>〈ジェイン・オースティンの「エマ」〉ですが、実はマンガの「エマ」が単行本化される前に、マンガ好きの友人と電話で話している内に「エマ」の話しになって、こちらは映画の「エマ」相手はマンガの「エマ」のつもりで、話し合って破綻しなかったという……笑っていいのかどうか、苦慮する事態がありました。

おもしろいですね。(笑)
とにかく小説を読んでみたいものです。


by Cecilia (2011-04-20 09:08) 

HINAKA

HINAKAです。

Cecilia様

超長文の書き込みの後に、このような形で失礼することをお許し下さい。
拙ブログに、第2次世界大戦時の英国宰相ウィンストン・チャーチル卿の語録についてまとめたら、結局ジョージ6世の話しになってしまいました。イヤあの方が、兄王の325日に過ぎない在位期間おかげで、被った問題と御本人とエリザベス妃との、ある意味有り得無いロマンス物語は、ほとんどドラマの世界です。
当時、王妃が直々に伯爵家といえど訪問して、直談判に呼ぶなど有り得無い(たぶん今も……)事態です。それほど、病弱で内気な次男を不憫に思っていたのと、その本人が生涯でただ一度の、本気の我が儘を通した結果が、最後には歴史をも動かした!
事実に、少々呆然としています。兄エドワード8世は、ヒトラーに好意的で、チャーチルの戦時内閣以前の、いわゆる融和策を支持していました。

本当に歴史と人物の綾とは、不思議な紡ぎ手です。


by HINAKA (2011-06-15 05:03) 

Cecilia

HINAKAさん、コメントありがとうございます!
そちらのほうも拝見させていただいています。
この映画がきっかけでジョージ6世夫妻にかなり興味を持ちました。チャーチルについては昔伝記で読んだ程度の知識しかないのですが、この時代のイギリスについてもっと知りたいと思います。

またそちらに伺いますね。
by Cecilia (2011-06-16 14:42) 

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